中学三年生のみなさん、こんにちは。今日は、県立高校入試の『数学』についてお話をします。数学の大問は例年6つ。前回入試は大問1は独立小問題で、大問2から6は単元別の大問でした。大問2~4は、大問1のようにそれぞれがほぼ独立した基本問題からできており、大問5と大問6は応用問題です。では、2023年の入試問題を詳しく見てみましょう。
独立小問題からなる大問1は8問で16点。最も正答率が低かった小問は1ー8で36%弱。「面積比は相似比の2乗」を用いて計算する問題でした。「AはBの何倍か」が苦手な人は、「6は2の3倍」のような簡単な整数を当てはめて考えましょう。整数でも分数でも小数でも文字でも考え方は同じです。
大問2は「方程式・文字式」問題で15点。2ー2は「一次方程式の利用」で、立式して計算の途中式を書く論述問題でした。正答率は13%弱と低く、部分正答率でも約34%。2つのパターンを等式にするときは、左辺と右辺のどちらに差を加えるのかなどをよく考えましょう。2ー3は「文字式の証明」の穴埋め問題で、全問正解した人は8%。共通因数の100でくくる形に式を変形する問題が難しかったようです。
大問3は「図形」問題で3問18点分。3-1は「角30度の作図」問題で正答率は約19%でした。正三角形を書き、その内角が60度であることを用いて角の二等分線を書けばOK。作図問題は、「垂直二等分線・角の二等分線・垂線・正三角形」の四つの作図方法を覚え、問題を多く解いて定着を図ります。3ー3は「直角三角形の合同証明」。正答率は5%弱でしたが部分正答率は約72%。少しでも書けば点数がもらえる場合がありますので、あきらめずに書きましょう。普段から証明問題を解いたら、模範解答と照らし合わせて正しい書き方を身につけることが大切です。
大問4は「データの活用」問題で13点。大問4ー2(1)は正答率が約36%。「累積度数」を覚えていれば解けた問題でした。4ー3は2年連続で「箱ひげ図」から出題。3(2)が「正しいとは限らないこと」を例をあげて説明する論述問題で、正答率が約11%でした。前後の文が良いヒントとなっています。
大問5は「関数」問題で、他の大問より突出して配点が高く25点。二部構成で、一部が「グラフと図形の利用」。二部は「一次関数の文章問題」で、「二人の人物が異なる速さで同じ目的地に向かい、一方の人物がもう一方の人物に追いつく」典型問題です。類題を多く解いて自信につなげましょう。
大問6は「タイルの張り方」に関する問題で、複数の領域にまたがる融合問題。大問6は例年、教科書にあまりないタイプの問題が出題されるため予想は難しく、文や図から設定を理解して式に表す力が必要となります。
基本問題の大問1~4は合計62点で20問。油断せず、正確さとスピードを心がけて演習を積み重ねましょう。ミスしやすいところを把握し、失点を最小限に抑えることが目標です。そして応用問題の大問5と6は合計38点で9問。文字や図も多く、見た目だけで難しそうだと感じてしまう人が多いと思いますが、実は1問目はどれも比較的簡単な問題が出ています。前年度の一問目の正答率は、5ー1(1)が約57%、5ー2(1)は75%、6ー1は約63%。手を付けないのは、非常にもったいないですよね。ただし、最終問題の正答率は、5ー1(3)が約4%。5-2(3)は約1%、6-3は0.1%と、やはりかなり難易度が高いようです。時間配分に注意し、場合によっては戻って見直しに入ることも大切です。問題文が長い場合は、読点など意味のまとまりごとに区切って読み、図と照らし合わせながら一つ一つ確認します。その際、条件や計算した数値は、どんどん図に書き込みます。書き込むことで情報が整理され、解き方が見えてきます。図形の問題も同様です。
県立入試の学力検査までは、あと約2か月半。一番重要なのは、志望校に合格するための勉強をすることです。つまり、落としてはいけない問題を確実に解けるようにすることです。県立高校が第一志望である場合は、年明けから始まる私立入試に振り回されすぎないようにしましょう。日頃の勉強が必ず良い結果につながります。頑張ってください。