中学三年生のみなさん、こんにちは。二回目の今日は、県立入試の『数学』の対策についてお話をしたいと思います。まず、問題の構成から見てみましょう。
数学の大問は6つで、小問数が31~32問。単純計算すると小問1つを約1分半のペースで解くことになります。前回入試では、選択形式の問題は4点だけで、論述や証明問題が29点分ありました。スピード勝負になりますので、過去問題を解いて時間感覚を養うことが大切です。特に大問1と2は定番の基本的小問題で、問題数は全体の5割以上、配点は4割。重要な得点源になりますので、迅速に確実に正解したいところです。
前回の大問1で最も低正答率だったのは、正答率が30%を切った小問12。時間に着目して「不等式」で表す「速さ」の問題でした。「速さ」の公式は知っていても、考え方自体が不十分な人が多いようです。「道のり・時間・速さ」に関する表を作成し、分かる所から記入していくと必ず式が見えてきます。また、選択形式の小問6と14も5割前後の低正答率でした。小問6は平方根と根号についての問題、小問14は平行四辺形が長方形になるときの条件を選ぶ問題。定義や定理はただ暗記するだけでなく、内容を理解して使えるようにすることが大切です。大問1は、失点を最小限に抑えなければなりません。簡単だからといって、途中の計算を飛ばしたり書きなぐったりせずに取り組むことがとても重要です。たくさん問題を解いて、ミスしやすいところを把握し改善しましょう。
大問2のうち1問は作図問題で、3~4点の配点で出題されます。R2年の作図も難しかったようですが、R3年の「三角形の面積を二等分する直線と辺との交点Pを作図する」問題も、正答率が約34%と難易度が高かったようです。作図問題は、「角の二等分線・垂直二等分線・垂線・正三角形」の4つの基本作図を押さえておけば大丈夫。複数の方法用いる場合もありますので、常に作図タイプを意識しながら問題を解いてください。
大問3では、「方程式」と「資料の活用」から出題されています。毎年「途中の計算も書くこと」という条件付きの問題が出され、6~7点と高配点となっていますので、普段から丸付けを行うときは、自分の解答と模範解答とをよく比べましょう。一方、前回の入試では、4年連続して出題された「証明しなさい」「理由を説明しなさい」といった記述問題や、R2年の「会話文から条件を読み取る」問題が出されませんでした。今回出題される可能性もありますので、R2年以前の問題に取り組んでおきましょう。
大問4は「図形」問題。前回は「三角形の合同」の証明と「三平方の定理」を用いる計算問題が出ました。大問4では毎年6~7点と配点の高い「証明」と、角度・長さ・面積・体積などを求める計算が2問出題されます。証明問題に取り組むときは実際に書いて問題を解き、模範解答と照らし合わせて減点されない書き方を身につけましょう。
大問5・6は応用問題になります。前回入試では、大問5は関数の文章題で、「点の移動と図形の面積」の問題。特に小問3は複雑でかなり難易度が高かったようです。これは小問2のグラフに書き加えることで道筋が見えてくる問題でした。グラフや図形があったら分かる所から書き込んで、頭の中を整理しましょう。大問6では、正方形のシートを2通りの作り方で数字を書いて切り、1~100までの数字のカードを作るという「規則性」の問題が出題されました。小問1は、順番に数字を調べていけば分かり、小問2もそれをもとに規則性を見つけて計算すれば解ける問題でした。例年、大問5・6の小問1・2は分かりやすい問題になっています。設問文の量が多いので見た目は難しそうかもしれませんが、あきらめずに取り組みましょう。
今年度は、新たに教科書に加わった内容の「累積度数」「反例」「四分位範囲と箱ひげ図」にも注意が必要です。過去の入試問題には出題されていませんので、教科書や問題集で基本を押さえておきましょう。県立入試の一般選抜までは、あと約2か月半です。大事なのは、自分の行きたい高校のレベルを理解し、落としてはいけない問題を解けるようにすること。日頃の勉強が必ず良い結果を導いてくれます。頑張ってください。