【明光義塾】県立高校入試特別講座 第5回「社会」

中学3年生の皆さん、こんにちは。県立入試まであと約1か月半となりました。2月8日には公立高校の特色選抜、3月8日には一般選抜の学力検査が行われます。昨年末から高校入試について教科ごとにアドバイスしてきましたが、今日は最後の教科、「社会」についてお話をしたいと思います。

昨年度の「社会」は例年通り大問7つの構成でしたが、今まで大問1でずっと出題されてきた1問1答式の独立小問題がなくなりました。地理・歴史・公民の3分野それぞれ大問2つずつ、そして3分野の総合問題の大問が1つ。さらに、全ての大問に資料が提示され、H28年以降続いた世界地理→日本地理の順が、日本地理→世界地理の順になるなど、構成が大きく変化しました。試験時間45分で大問7つ小問47題を解くことになりますので、大問1つを約6分半、小問1題を1分弱で解くペースです。「1問1答式問題」をいかに素早く正確に答えられるかどうかがカギと言えます。昨年は11問22点分が「用語を書く問題」、24問48点分が「選択問題」であることを考えますと、基本的な知識の暗記はやはり重要課題。1問1答式の問題集に取り組み、間違えた問題には印を付けてできるまで繰り返し、確実に幅広く覚えましょう。前後の流れや事柄同士の因果関係を意識し、漢字表記も含めて正しく覚えることが大切です。また「選択問題」では、正解以外の選択肢がなぜ違うのかを必ず確認しながら進めましょう。

一方で、配点も高く入試で差が付きやすいのが、9問24点分だった「論述形式の問題」。苦手意識を持っている人も多いと思いますが、実際はそれほど難しいものは出題されません。グラフや表などの資料を見て、共通する数値や大きな変化、特に目立つ項目など気がついたことを素直に答えればよい問題が多いのです。例えば、昨年の大問の日本地理で出題された、「ある村に関係する3つの資料から、その村の課題と地域おこしの特徴や成果について論述する」問題。資料から読み取れる数値の変化と、「ゆず」に関する取り組みをまとめて書けば正解できる問題でした。また、大問⑥の公民問題の小問3で出た、「コンビニのレジで会計するときに、消費者ができる3Rの取組を具体的に書く」という時事問題。3R(ゴミの削減・再生利用、再使用)を知っていれば、「レジ袋をもらわないでエコバッグを使う」「お箸やスプーンをもらわない」などの具体例がすぐに浮かぶと思います。小問6では、「国全体で働き手が不足していることに対する解決策」を資料を踏まえて書く問題が出ました。図から、日本の生産年齢人口の減少、在留外国人人口の増加、スーパーにおけるセルフ清算レジ設置の増加が読み取れるので、それを労働者不足の解決に結び付けて順番に文にするだけで正答となります。また大問⑦の総合問題は、項目ごとの箇条書きの文から、設問に関する記述を探してまとめるという、国語の読解問題のような問題でした。昨年の論述問題のほとんどが、知識が必要というよりも資料を読み取って答える一般常識的な問題だったと言えます。完璧でなくても部分点がもらえますので、難しそうだからなどという理由でとばして無回答のままにしたりせず、分かる範囲で解答しましょう。論述問題の対策として、普段からテレビなどで時事問題に注目することと、問題を解いた後、模範解答を写して書き方に慣れることが効果的です。

1月もわずかになり、焦りを感じてきた人もいるかもしれませんが、まだ時間はあります。いつまでに何を終わらせるか、具体的に計画を立てましょう。本番が近くなったら週末を使い、入試の時間割通りに過去問題や予想問題を解く機会を作ることも大切です。過去問題を10年分くらい解くと、時間配分や出題のされ方、「今年はこの単元が出そうだ」という傾向がつかめます。ただしむやみに山をかけたりせずに、全範囲を地道に学習しましょう。感染症対策はもちろん、適度な睡眠や運動、バランスのとれた食事を心がけ、心身ともにベストの状態に持っていってください。本番当日は緊張すると思いますが、気負いすぎず、その日まで勉強を積み重ねてきた自分を信じ、「いつも通り」を意識して入試にのぞんで欲しいと思います。皆さんの志望校合格を応援しています。頑張ってください。

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