【個別指導 明光義塾】県立高校入試特別講座 第2回(数学)

中学3年生のみなさん、こんにちは。2回目の今日は、県立入試の『数学』の対策についてお話をしたいと思います。まず、前回入試を見てみましょう。

数学の大問は6つで、例年小問題数が30あまりでしたが、前回は少し減少して28問。また、構成にも少し変化が見られました。これまでは、大問1と大問2が独立した小問集合題で、合計17問40点分ほどでしたが、前回は独立小問集合題は大問1の8問16点分だけ。それ以降の大問2から6は、それぞれの単元ごとの問題となりました。ただ、問題が難化したという訳ではありません。大問2から4は同一単元内での、ほぼ独立した小問からなる基本問題。つまり大問1から4は、今までどこかで解いたことのある定番の問題ばかりです。配点は全部で65点分。失点を最小限に抑え、確実に得点したいですね。スピードも勝負になりますので、過去問題を解いて時間感覚を養うことが大切です。では、大問ごとに前回の問題を検証してみましょう。 

大問1では、「数と式」「関数」「図形」の3領域から出題されました。関数の変域や扇形の弧の長さを求める問題が少し難しかったようです。単純な計算問題も出ましたが、途中の計算を飛ばしたり書きなぐったりせず、ケアレスミスを最小限に抑えましょう。
 大問2は「数と式」の領域から、平方根、連立方程式、2次方程式の3問が出題されました。平方根の問題は正答率が低めで、53.8%でした。ルートの中(10―n)が自然数の二乗になるように整数nの値を求める問題です。「nの値が1以上9以下」であることから計算しますが、「すべて求める」問題では過不足なく答えるように注意が必要です。

大問3では「データの活用」の領域から4問が出題されました。新教科書に加わった「四分位範囲と箱ひげ図」の問題が初めて出題されましたが、教科書内容レベルの基本的な問題でした。「データの活用」からの出題は、これまでは確率や資料の分析などが、大問1か2の中で小問題として1~2問出る程度。新学習指導要領では「データの活用」に重点を置いていますので、今後も前回入試と同様に大問での出題になるかもしれません。

大問4は「図形」問題。これまで大問2で出題されていた作図問題が、前回入試では初めてここで出されました。垂直二等分線を書いて点Pを求める問題です。作図問題は、「垂直二等分線・角の二等分線・垂線・正三角形」の4つの作図方法を暗記し、常にそのタイプを意識しながら問題を解いてください。作図問題の他は、三角柱の問題と相似の証明問題でした。図形問題では、図の中に数値を記入したり、同じ長さや角の大きさを見つけて印をつけたりなど、分かるところから書き込んで、考えを整理していきましょう。証明問題は配点が高く7点。普段から証明問題に取り組むときは、頭で考えるだけで済ませるのではなく、実際に書いて問題を解き、模範解答と照らし合わせて確認しましょう。

大問5・6は応用問題になります。前回の大問5は関数の文章題。一次関数の大問と二次関数の大問が、それぞれ小問1、2となって1つの大問になったような構成でした。ページ数も問題数も従来の倍になり、配点も22点に増加しています。小問2の一次関数の問題は、「3社の電気料金の比較と料金プランの見直し」という日常生活を題材とした問題。このような問題は設定の説明が必要なため、問題文が長文化しやすく、グラフ・表・会話文などが含まれることもあって、読解力や状況把握する力が必要となります。ただ、1問目は比較的解きやすいため、見た目であきらめずにやってみることが大切です。日常生活に関する問題は新教科書になって重点が置かれたため、過去問題ではあまり見られません。高得点をねらう生徒さんは、他県の問題を対策に利用すると良いでしょう。例えば、「消費する電力量によるイルミネーションの点灯計画(宮城)」「ドローンを使った宅配サービス(広島)」「アプリの使用時間と通信量(山口)」「加湿器の強・中・弱の使い分けと使用時間(福岡)」など身近な題材が出題されています。

大問6では、「反復横跳びの位置と回数」を求める「規則性」の問題でした。大問6も大問5と同様に、説明部分が長く時間配分に注意が必要ですが、たいてい1問目は順番に数字を書き込めばできる問題です。過去問に取り組み、やり方に慣れておきましょう。
 3月の県立入試まで、あと約2か月半あまりです。大事なのは志望高校のレベルを理解し、落としてはいけない問題を正確に解けるようにすること。日頃の勉強が必ず良い結果を導いてくれます。頑張ってください。