中学3年生の皆さん、こんにちは。1月も半ばとなりました。県立入試までどのように勉強したらよいか、3回目の今日は『国語』についてお話をしたいと思います。
国語の大問は5つで時間は50分。うまく時間配分しないと、本文を読まないで解答欄を埋めたり、20点分の作文に手がつけられなかったりというような事態になりかねません。最初に全体の構成を確認し、大問5の『作文』のテーマを頭に入れた後、大問1から解き始めるのが鉄則です。では、大問ごとに去年の問題を見ていきましょう。
大問1は、『基礎知識』問題で、15問30点分出題されます。大問の中で最も問題数が多く高配点ですが、5分未満で解くようにします。まず漢字の読みと書きが5問ずつ。去年は、「稚拙(ちせつ)」の読みが正答率3割弱、「功績」の書きが5割強の正答率で少し難しかったようです。漢字問題だけで20点分ありますので、積極的に勉強しておきましょう。漢字の後は語句や文法問題。一昨年まで4年連続で提示された会話文がなくなり、H29以前の独立した小問からなる構成に戻りました。「そうだ」の識別問題はH18年にも出題。「雨が降りそうだ」の「そうだ」は自分で見聞きしてそういう様子であると推測する「様態」を表します。一方、「雨が降るそうだ」の「そうだ」は他の人からそう聞いたことを表す「伝聞」。「ない、れる・られる、だ」の識別も過去25年間で2回ずつ出題されています。他に、敬語、主語と述語の照応関係、熟語の構成、和歌も出題されましたが、どれも目新しい問題ではありません。文法の出題範囲は広いものの、典型的な問題が出されると考えていいでしょう。
大問2は『古文』で5問10点分。苦手意識がある人もいるようですが、分からない部分は読み飛ばしても大丈夫。本文前の説明や後ろの「注」は内容理解の助けになりますので、まず確認します。前向きな話なのか、失敗を教訓にする話なのかが分かるだけでもOKです。
全く内容が読み取れなかったら、「設問文」や「選択肢」に目を通すと話の流れが見えることがあります。古文は、多くても10分程度で解きましょう。1問目は毎年「歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す」問題。パターンを覚えて、必ず正解したいですね。去年出題された「云ふやう:ihuyau」は、まず「ふ」を「う」に直し、次に「au:あう」を「ou:おう」に直して平仮名で「いうよう:iuyou」と答えるのが正解でした。2か所直す必要があり、少し難しかったようですね。
大問3は現代文の『評論』で、配点は20点。去年は「A」「B」と2つの文章を提示する形で出題されましたが、実際には連続した1つの文章として読める内容でした。去年の1問目は55字以内の記述問題。類似表現が多く、最も適切な表現を選ぶのに手間取ったかもしれません。もう一つ40字以内で理由を書く記述問題がありました。本文中の「から」という語に注目して書くのですが、対象箇所が長く、制限字数内にまとめる過程で苦戦したと思われます。評論は、本文を読み始める前に設問文に目を通してから読み始めます。そして「指示語、接続詞、理由を表す語、頻出の語」などに印をつけながら読み、設問の部分に来たら問題を解きましょう。
大問4は現代文の『小説』で、配点は評論と同じく20点。評論とは違い、最後まで通して読んでから問題を解いてもかまいません。小説の記述問題は本文中の表現を用いるだけでなく、自分で考えた表現を補って記述する場合も多いので、練習が必要です。大問3・大問4にかけられる時間はそれぞれ12~13分程度。選択問題では、選択肢同士をよく比較して違いに注目します。正解の基準は「本文中に書いてあるかどうか」。強調しすぎている表現は不正解のことが多いので、本文にその記述があるかどうか確認しましょう。また、抜き出しや記述問題では、キーワードや語尾表現が採点のポイントになります。
大問5は『作文』で配点は20点。使える時間は10分程度です。作文は部分正答率を含めると、毎年9割を超えます。つまり、何か書けば点数がもらえるということです。去年は、『資料を参考にして「言葉」を使用する際に心がけたいことについて自分の考えを書く』問題。「何をどのように書くか」は、設問文と条件に細かく指示されており、それらを満たさないと減点されます。入試では、資料を読み取り、条件に従って時間内に読み手に伝わようにまとめる力が求められます。
国語の対策としては、漢字・語句などの知識を定着させる学習と、過去問題を解く学習がベストです。大切なのは答え合わせ。解説や模範解答をよく読んで自分なりに納得いくまで考えましょう。県立の一般選抜まであと2か月を切りました。計画を立てて進めていきましょう。頑張ってください。