自然を生かす小原流の心 83歳の華道家・清水一克さんが語る、いけばなの魅力

「花の気持ちにならなければ、花は生けられません。」そう穏やかに語るのは、いけばな小原流の華道家・清水一克(しみず・いっこく)さん(83)。

長年にわたり花と向き合い続けてきた清水さん。その言葉には、技術だけでは語れない自然への深い愛情が込められている。

花との出会いが人生を変えた

清水さんは幼い頃から植物が大好きだった。

野山へ出かけては季節の花を摘み、自宅の花瓶に生けていた。しかし、野に咲く花のような生命力を表現することはできなかったという。

転機となったのは小学5年生の頃。親戚の家で目にした一つの生け花だった。

学校の先生だった親戚が趣味で生けた花が床の間に飾られており、その姿はまるで野山に咲く花がそのまま室内で生きているようだった。

「こんな世界があるんだ。」

その美しさに心を奪われ、いけばなの世界へ興味を持つようになった。

翌年、父が五右衛門風呂を作る際、生け花用の水盤も手作りした。母の妹が華道を習っていたこともあり、その水盤に花を生けたという。

こうした環境の中で、花は幼い頃から身近な存在となっていた。

高校1年生になると、いとこが所属していた華道部へ入部。本格的に華道を学び始め、以来、小原流一筋で歩み続けている。

教室での様子❶

自然を生かす小原流の魅力

華道にはさまざまな流派がある。その中で清水さんが魅力を感じたのが小原流だった。

「自然にある姿を、技術を使って表現する。それが小原流です。」

小原流は、植物が本来育つ景色や自然の姿を生け花で表現する流派である。

山や野原に囲まれて育った清水さんにとって、その考え方はごく自然に受け入れられるものだった。
ほかの流派も研究してきたが、自分には小原流が最も合っていたという。

作品づくりにおいて、清水さんが何より大切にしているのは季節感だ。

教室での様子❷

花の気持ちになり、その季節ならではの美しさを表現することを常に心掛けている。

「花の気持ちになること、そして自然と一体になることが大切。それがいけばなの魅力です。」と、清水さんは語る。

同じひまわりでも一本一本すべて表情が違う。同じ作品は二度と生まれない。

「一期一会なんです。」

だからこそ、その花を見た瞬間に最も美しく見える姿を判断できるよう、日々感性を磨き続けている。

教室では、形だけを教えることはしない。まず花をじっくり見つめ、その花から受ける印象を大切にするよう指導している。

また、「自分が感動できなければ、人を感動させることはできません」という言葉を信条としている。

優しく寄り添う言葉で生徒一人ひとりの感性を育てる姿からは、華道への深い愛情が伝わってくる。

日本のいけばなについて尋ねると、清水さんはこう語る。

「日本は自然に恵まれた島国です。日本人は昔から自然の中に神様を感じながら暮らしてきました。だから自然といけばなは切っても切れない関係なんです。」

花を生けることは、自然と向き合い、自分自身の心と向き合うこと。

83歳になった今も花と語り合いながら歩み続ける清水一克さん。
その姿は、いけばなが単なる「花を飾る技術」ではなく、日本人の自然観や心を受け継ぐ伝統文化であることを静かに物語っている。

伝統文化いけばな親子体験教室
住所:栃木県佐野市金井上町2519 佐野市中央公民館
お稽古日:土曜 10:00 ~ 12:00 月1回
授業料:花材費込費用はお問合せください。
入会金:なし
外国語での指導 可(英語)

いけばな小原流教室
住所:栃木県佐野市浅沼町321-22
お稽古日 金曜 14:00 ~ 18:00土曜 14:00 ~ 18:00 月2回
授業料:1回毎(3000円)花材費込
入会金:あり 2000円

佐野小PTAいけばなサークル
住所:栃木県佐野市浅沼町321-22
お稽古日 火曜 09:30 ~ 12:00月1回
授業料 一括(1回分一括 1500円)花材費込
入会金 あり 1000円