
音楽が流れると、自然と体が反応する。生徒たちは肩を揺らし、足元で軽やかにリズムを取って、音楽に身を任せていました。その姿がとても楽しそうで、会場全体が温かい雰囲気に包まれていました。

2月15日、足利中央特別支援学校で行われたのは、フォルクローレグループ「ロス・クアトロ・ペスカドーレス(4人の釣り師たち)」による素敵なコンサート。このコンサートは、2006年から毎年行われている恒例行事で、今年で19回目を迎えました。
「ロス・クアトロ・ペスカドーレス」は、1992年に結成されたフォルクローレグループで、メンバーはリーダーのエルネスト國安さん(チャランゴ)、アントニオ菊地さん(ギター)、カルロス山口さん(ボンボ)、パキート宮本さん(ケーナなど)。元々中学校の教師だった4人は、当時、多くのペルーやブラジル、中国からの転校生がいたことをきっかけに、音楽を通じた交流や支援を目指して活動をスタートさせました。
パキート宮本さんは「『コンドルは飛んでいく』は、ペルーの家族との信頼関係を築くうえで、大変有効でした。この曲を通じて心を通わせることができたことが、きっかけとなり、他の国から来た子どもたちにも安心感を与えることができたのだと思います」と当時を振り返る。

今回は、「コージャ族のクエカ」や「花まつり」など、計7曲が披露されました。軽快なリズムに合わせて生徒たちは体を揺らし、足でリズムを取る姿が見られ、音楽に包まれて楽しそうな笑顔が広がっていました。そして、エルネストさんとメンバーによるユーモアたっぷりのMCも、会場を盛り上げる素敵なひとときでした。

コンサートのラストは、アップテンポな「ラ・マリポーサ」。音楽が会場全体に響き渡り、素晴らしい熱気の中、フィナーレを迎えました。コンサート終了後には、生徒たちからメンバーに花束や感謝の手紙が贈られ、温かな交流のひとときが流れました。
さらに、長年の貢献が評価され、「ロス・クアトロ・ペスカドーレス」には、栃木県特別支援教育振興会から感謝状が授与されました。

エルネスト國安さんは「私たちの音楽が少しでも皆さんの支えになればと思い、活動を続けてきました。音楽は聴いてくださる皆さんがいてこそ成立します。こんな素晴らしい機会をいただき、本当に感謝しています」と、心温まる言葉を残してくれました。

音楽の力が、心と心を繋げ、温かな思いを届ける素晴らしい瞬間でした。