高校受験生の皆さん、こんにちは。今日は、県立入試の国語についてお話をします。では、問題の構成に従ってみていきましょう。
まず大問1は『国語の基礎知識』問題で、15問30点です。小問1・2は「漢字の読み・書き」で、5問ずつの20点。去年の「読み」は比較的簡単で、3問が正答率95%以上でした。「書き」の方は「漁港・招待・熟練」の3問が難しく、差が出たようです。「書き」問題は小学校で習った漢字から出題されますので、復習しておきましょう。小問3では、4年連続で会話文が提示されています。去年は「俳句」についての会話文から、「俳句の表現技法と季節、敬語、文法(自動詞・他動詞)」を問う選択問題が4問出題。そして最後の小問4は、「漢文」の選択問題でした。過去25年間の入試における出題頻度を調べてみますと、「文法」がほぼ毎年出題されており92%、「敬語」が84%、「俳句」が48%でした。その他「慣用表現・ことわざ・故事成語・四字熟語」から52%、「熟語の構成」と「部首、画数、筆順、行書の特徴。(そのうち約半分で「行書」が提示)」が各44%、「誤解のない表現」が28%、「漢文」が24%、「短歌」が20%、「文学史」と「同音異義語」が12%出題されています。「文法」と「敬語」は必ず出題されるものと思って、学習しておきましょう。ただ「文法」は出題範囲が広いので、文法が苦手な人は、配点が2点でしかも高校の授業であまり扱わない現代文法に勉強時間をかけ過ぎない方がいいかもしれません。今まで「助動詞」8問(れる・られる、ない、だ、ようだ、そうだ)、「助詞」5問(か、が、で、に、の)、「活用形」2問(動詞、形容詞)、「修飾・被修飾」2問、「副詞」4問、「単語に区切る」2問、と様々な問題が見られます。
また、最近は毎年「俳句」か「短歌」が出題されています。特に「俳句」は頻出で、「季語・切れ字・表現技法」が問われます。俳句の「春」は旧暦で1~3月(新暦では2~4月)ですので、現代の感覚とは1か月以上ずれのある「季語」が多くあります。例えば、「木の芽・新緑・吹き流し(鯉のぼり)・いちご」は夏、「七夕・朝顔・天の川・台風・西瓜・帰省」は秋、「七五三・咳(せき)・枯葉・小春日・豆まき」は冬です。また、似ていて紛らわしい季語もあり、例えば「雷」は夏ですが、「稲光(いなびかり)・稲妻(いなずま)」は秋で、「寒雷(かんらい)」は冬。「雪・氷」は冬ですが「雪残る・雪解け・流氷」は春。「月夜・名月・月見」は秋ですが、「おぼろ月」は春。「かわず(蛙)」は春で、「あまがえる・ひきがえる」は夏になります。天気に関する季語では、春「霞(かすみ)・花曇り」、夏「梅雨(つゆ)・五月雨(さみだれ)」、秋「露(つゆ)・霧(きり)」、冬「時雨(しぐれ)・霜(しも)・みぞれ・あられ」。鳥に関する季語では、春「うぐいす・ひばり」、夏「ほととぎす」、秋「きつつき・渡り鳥」、冬「千鳥、都鳥、白鳥」等があげられます。一方で、普段と同じ感覚の季語もありますので、便覧などで確認しておくと良いですね。「切れ字」は「や・かな・けり」が頻出。また、文語の終止形「なり・たり・し・き」も覚えておきましょう。「隠喩・擬人法・反復・体言止め」などの表現技法も確認しておいてください。
大問2では『古文』が出題され、5問で10点。小問1では、歴史的仮名遣いを「現代仮名遣い」にする問題が出ます。過去25年間で、75%以上が「はひふへほ」を「わいうえお」に直す問題。複数箇所直す問題も出ています。「ゐ・ゑ」を「い・え」にする問題は4問、「au」を「オー」に変える問題も6問ありました。「主語」を尋ねる問題も頻出で、半数以上の年度で出題されています。主語は省略されることも多く、同じ人物を違う名称で表す場合もありますので、気をつけて読みましょう。
大問3は『評論』、大問4は『小説』で、各20点配点です。最近、「次の一文が入る最も適当な場所を選ぶ」問題が、連続で出題されています。これは、ほぼ毎年出題される「段落」問題と同様にまず設問文を読み、内容を確認してから本文を読み始めましょう。
大問5は作文の問題で20点。出題形式は多様ですので練習が必要です。昨年は「世の中が便利になること」を書く作文でした。条件も分かりやすく身近なテーマでしたので、比較的書き易かったようです。部分正答率も含めると正答率は95%を超えていました。入試では、最初に「作文」のテーマを頭に入れてから大問1に取りかかるのが鉄則です。
国語の対策としては、漢字・語句などの知識を増やすことと、過去問題に取り組む学習がおすすめです。大切なのは答え合わせ。解説や模範解答をよく読んで自分なりに納得いくまで考えましょう。県立の一般選抜まであと2か月を切りました。しっかり計画を立てて進めていきましょう。頑張ってください。