
6月7日(土)、初夏の足利。足利フラワーパークプラザ文化ホールに、アンデスの風が吹きました。

今年で30回目を迎えた「エル・エコー・デ・ロス・アンデス」。節目となるこの音楽祭には、いつも以上の想いと温もりが詰まっていました。
主催は、公益財団法人足利市みどりと文化・スポーツ財団、足利市教育委員会、ロス・クアトロ・ペスカトーレス、そして足利ケーナ愛好会エル・エコー。


本公演のテーマは、「音をつなぐ、想いをつなぐ、平和をつなぐ、世界のために」。
その言葉どおり、この日はまさに、音楽が人と人とをつなげていく一日でした。

幕開けは、足利ケーナ愛好会「エル・エコー」によるステージ。
「アレキーパのカーニバル」「夜が訪れ、風が吹く」ほか、ケーナの音色は時に優しく、時に力強く、会場の空気をゆっくりと変えていきました。


会場から大きな拍手が鳴り響く中、ロス・クアトロ・ペスカトーレスが登場!
4人の演奏は、聴く者の身体を自然と動かし、心を揺さぶります。
「コージャのクエカ」のリズムが足元から響き、「夢よ、未来よ想い出よ、希望よ…」など、情感豊かな旋律が心に迫ります。


そしてやはり、この曲「コンドルは飛んで行く」。
何度聞いても胸が熱くなる名曲に、会場は一体となりました。

思いがけないサプライズも!
ロス・クアトロ・ペスカトーレスの教え子たちによる「水道管シスターズ」が登場!
ユーモラスな名前に会場が湧き、演奏が始まると、温かい拍手と笑顔があふれました。
第二部では、友情出演の中村雄一さんと木下尊惇さんがステージへ。
伝承曲「ビジャンシーコ」を、二人の息の合った演奏で紡ぎ出します。
時が止まったような静謐な時間。音が語り、音が祈る、そんな感覚に包まれました。



そしてフィナーレは、ロス・クアトロ・ペスカトーレスと木下さんによる「チュタス」「バージェグランデ生まれ」などの共演。
音楽が持つ力、30年という歴史の重み、そして未来への希望。すべてが重なり合った、感動的なエンディングでした。

この日、心に残ったのは演奏だけではありません。
ロス・クアトロ・ペスカトーレスのエルネスト國安さんの言葉が強く印象に残りました。

「スポーツと音楽は、国境を越えた世界の共通語。我々はそう信じています。第1回のコンサートを思い出すと、当時は高揚感にあふれていました。それから30年。今も気力も体力もあります。これからも情熱を込めて演奏を届けてまいります。」。
音楽祭は終わっても、その響きは心の中に残り続けることでしょう。
来年もまた!そんな気持ちを胸に、会場をあとにしました。