中学3年生の皆さん、こんにちは。本格的な受験シーズンの到来ですね。県立高校の学力検査本番まであと3か月を切りました。皆さんが効率よく入試対策を進められるように、今日から教科別にお話していきたいと思います。第1回目の今日は『英語』です。
2021年4月から新教科書が導入され、英語では「単語」が小学校で履修する単語を含めると倍近くに増えて難化した上、「現在完了進行形・原形不定詞・仮定法」という今まで高校で学習していた内容が追加されました。前回入試では大問5の本文で仮定法を用いた表現がありましたが、解答には影響ありませんでした。また、高校入試は大学入学共通テストの影響を受けやすいので、出題形式の変化に柔軟に対応できるように備える必要もあります。すでに「リスニング1回読み」「複数資料」など、共通テストを意識した問題を出している県もあります。英語の学力検査時間は50分。大問は5つで小問は36問。リスニングが約11分ですので、残りの大問4つ小問26問を39分で解くことになります。
まず大問1の「リスニング」は従来より1問減って10問で26点分でした。大切なのは、まず「答えの選択肢やメモにあらかじめ目を通しておくこと」。さっと見るだけでも良いヒントになります。もう一つ大切なのは「聞き取り方」。放送の最後に読まれる「質問」を1回目で必ず聞き取り、2回目の放送でその質問に対する答えを選択肢や放送から探しながら聞くのです。そして日頃から基本単語は正確に書けるようにします。「リスニング」は全体の4分の1以上を占める高配点です。大問3以降で手ごわい問題が待っていますので、ここで少しでも多く得点したいですね。音声教材を用いて対策しましょう。
大問2は「文法」問題。9問で18点分です。できれば時間をかけずに3~4分以内で解きます。2-1では、前回は15文程度の手紙文が提示されましたが、内容を問う問題ではなく、個別の基本的な文法問題でした。空欄の前後をよく確認して正解を選びましょう。2-2は並べ替え問題。前回の入試問題では3問とも対話形式でした。並べ替えでは、主語と動詞の確認と、つながりそうな単語を探すことから始めましょう。前回は、「My plan (is to go shopping)with my sister.(買い物に行くことです)」という問題の正答率が33%で、難しかったようです。不定詞「~すること」と熟語「go ~ -ing(~しに行く)」を合わせた問題でした。単純な文法知識を問う問題は減少傾向ににありますが、「会話や英作文でよく使う表現」は私立入試でも出題されますので、繰り返して定着をはかりましょう。
大問3では、「対話文」と「英作文」が融合した「対話文総合問題」が3年連続で出題されました。ツバメに関する対話文と発表資料が提示されて、8問で28点分。記述問題が6問と多いのですが、12~13分程度しか使えません。大問3は本文量が多い上、英作文が融合しており、苦手意識を持っている人が多いと思います。特に最後の「自由英作文」は配点も難易度も高く、前回は6点分完答できた人はわずか2.1%。しかし、部分点を含めると約72%の人が得点できていますので、できるだけ書くことが大切です。ただ、英作文に自信のない人は、他の大問を先に解いてから戻って実施する作戦もいいでしょう。前回は「自然環境に優しい生活を送るために、普段行っていること、またはこれから行おうと思うことは何か」というSDGs関連テーマの英作文。対話文や資料内容の理解を必要としない独立した出題でした。英作文は、自分の「書きたい内容」を忠実に英語にしようとするのではなく、「正確に書ける単語や表現」を使って書くことがポイントです。入試や英検の模範解答を参考に、使える表現パターンを増やしましょう。
次の大問4・5は各14点の「長文読解問題」。つまり大問3~5の長文問題は合計で56点分で、全体の5割を超えます。大問4は「体験文」。記述問題が増え、日本語の字数制限がなくなりました。大問5は「説明文」。4つの英文を並べ替える問題が新しく出題されました。長文を解く時のコツは、問題文の下にある「注」と「設問文」にあらかじめ目を通してから本文を読むこと。話題が想像でき、何に注目して読むべきかが分かります。主語と動詞を確認しながら本文を読み、問題の所に来たら解く。知らない単語があっても焦らずに、前後関係から意味を推測しましょう。例えば、「行き先」に関する語であるとか、「プラスイメージ」の語であるなど、大体の内容をつかめばOK。正しく書けなくても、意味は分かるという単語を増やしておくことも大切です。
これから冬休みまでは、苦手単元の強化をする良い機会です。年明けには私立の入試も始まりますので、いつまでに何をやるか計画を立てて勉強してください。応援しています。