中学三年生のみなさん、こんにちは。2回目の今日は、県立入試の『数学』の対策についてお話をしたいと思います。ではまず、入試問題の構成を見てみましょう。
数学の大問は6つで小問が31~32問。制限時間は50分ですので、単純計算すると、小問1つを約1分半のペースで解くことになります。大問①~④は基本的な問題で、配点は65点前後。特に大問①と②は定番の基本問題ばかりです。ここの小問数は全体の半数余りを占め、配点は約40点。大問⑤と⑥で時間を多くさく為にも、大問①と②では問題を見たら迷うことなく解き、失点を最小限にしなければなりません。多くの問題を解いて自分がミスをしやすいところを把握し、スピーディに確実に正解できる力をつけましょう。
大問②のうち1問は作図問題で、3~4点の配点で出題されます。基本的な問題ですが、前年度の「回転移動させた点を作図する」問題は少し難しかったようです。しかし、設問文を少しずつ区切って意味を確認しながら考えると、「角Aの二等分線と、角Aを中心とした円を書き、その交点を求める問題」でした。ここで、作図問題を確実に得点するために、少し詳しく説明しましょう。作図問題は、「①角の二等分線・②垂直二等分線・③垂線・④正三角形」の4つの基本作図を書けるようにしておけば大丈夫です。ただ、設問文の表現が違う場合もあります。例えば、『①角の二等分線』の作図方法は「2直線から等しい距離にある点」「半分の角度」「15度、30度、45度」「辺どうしが重なるときの折り目」「2本以上の線分に接する円」「三角形の内接円」と書いてあった場合に用います。『②垂直二等分線』の作図方法は、「2点から等しい距離にある点」「線分の中点」「円の中心」「点どうしが重なるときの折り目」「三角形の外接円」「三角形の面積を二等分する線」「回転移動の中心」を書く場合。『③垂線』の作図方法は、「点と直線との最短距離」「90度」「特定の点で円に接する線(線に接する円)」「三角形の高さ」。『④正三角形』の作図方法は、「60度、120度」「正六角形」を書く場合に用います。どのような問題にはどの作図方法を用いるか、タイプ分けして覚えましょう。
次の大問③・④は、難易度が少し上がります。大問③では毎年「途中の計算も書くこと」という条件が付く問題が出題され、6~7点と高配点となっています。また、一昨年に引き続き、前年度も「表から~のように判断できる理由を説明しなさい」といった記述問題もありました。模範解答をよく見て、書き方に慣れておきましょう。大問④は「図形」問題。ここでは6~7点と配点の高い「証明問題」が1題、それ以外では角度・長さ・面積・体積などを求める計算問題が2問出題されます。図形問題を多く解いて減点されない証明の仕方や計算のパターンを覚えてしまいましょう。
残りの大問⑤・⑥は応用問題で、合計35点前後の配点です。これらは、設問文の文章量も多く、見た目だけで難しそうだと感じてしまう人が多いと思いますが、それぞれ1問目には、比較的簡単な問題が出ますので、あきらめずにぜひ取り組んで下さい。前回入試では、大問⑤で二人の会話から条件を読み取るという新しい形式での出題が見られました。大問⑥では「規則性」の問題。これは、一つ前から次への数値の「増えた部分」に注目をし、図にして考えると規則が見えてきます。過去問を多く解いて、苦手意識をなくしておくとよいでしょう。ただし、過去には正答率1%台の問題が出たこともありますので、全くわからないときは時間をかけすぎずないことも大切です。
今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための長期休校を受け、栃木県立高校の学力検査において、中三生で学習する「標本調査」の単元が除かれることが決まっています。過去問題を解くときは単元を確認するといいですね。県立入試の一般選抜までは、あと約2か月半。県立高校が第一志望である場合は、年明けから始まる私立高校の入試対策に振り回されすぎないようにすることも大切です。一番に考えるべきことは、志望校に合格するための勉強をすること。しっかり計画を立てて効率的な勉強をし、合格を勝ち取ってほしいと思います。頑張って下さい。